ダンボール外装用シートメーカーと内装用シートメーカーの違い

段ボール箱屋

2016年06月20日 07:00

段ボール箱を検討するにあたり、大きく輸送用やギフト用などに分かれてきますが、その中間あたりで大きい箱だけど色を付けたいとか、小さい箱だけど強度を上げたいとかの場合に、色々シートの製造条件があり難しい場合があります。
それらを検討する上で今回は、段ボールのシートについての豆知識のご紹介です。


シートメーカーというのは、3層構造の段ボールシートを作っているメーカーになります
段ボール業界は大きく分けて3つに分かれます。
業界についての図をつくってみました

頂点に「レンゴー」「王子製紙」
次にシートメーカー
一番下にボックスメーカーとあります。(弊社はここになります)

↓拡大します




「レンゴー」「王子製紙」は、製紙一貫メーカーとも呼ばれ
紙をすくところから、最終的な製品までを一貫して製造できるメーカーとなります。

次のシートメーカーとは、上記製紙一貫メーカーからダンボールシートの原材料であるライナーや中芯を購入して、ダンボールシートを製造するメーカーになります。 段ボール箱も同様に製造します。

一番下のボックスメーカーとは、製紙一貫メーカーやシートメーカーから、ダンボールシートを購入して、ダンボール箱に加工して販売する会社になります。


それぞれ強みと弱みがございますが、それにつきましては後日記載します。

以下
2番目のシートメーカーについて、内装用シートメーカーと外装用シートメーカーとの違いについての説明です



ダンボールシートを製造しているメーカーは大きく分けて
①外装用シートメーカー(外装ケースに使用する材質を主に生産)
②内装用シートメーカー(ギフト用などの薄いダンボールやカラー段ボールを主に生産)
に分かれます。
工場によっては、この中間の位置に属する所もあります。


弊社では用途が輸送用の場合外装用シートメーカーから仕入れ
ギフト箱などの内箱を生産する場合は内装用シートメーカーから仕入れます。

でわ
外装用シートメーカーと内装用シートメーカーでは何が違うのでしょうか




①内装と外装何が違うのか? ~段種による違い~

段種というのは、間に挟んであるナミナミの高さの事です。 
段ボールシートの段種(ナミナミの高さ)は、G段からW段まで 0.5mm~8mmの巾があります。
他にも特殊な段としてAA段(10mm) AAA段(15mm)もありますがここでは割愛させていただきます。

下の写真に使用している材質は「表c5x中芯が普通芯x裏c5」とすべて共通なのですが、段の高さのみ違います。



外装シートメーカーが作る段種は下からW/F A/F B/F 


一番下のW/Fは、上の2つB/FとA/Fを組み合わせた段種になります。 AB/Fと呼ぶこともあります。
重量物(内容物20kg以上)の場合によく使用されます


内装シートメーカーが作る段種は下からB/F E/F F/F G/F
(一番上のG/Fは非常に薄い段ボールです。そのままオフセット印刷も出来る特殊な段種で、製造できる会社は全国でも限られてます)




それぞれのメーカーでは製造する段種が異なるのですが、B/Fは外装用・内装用メーカーどちらでも製造していることが多いです。

使用目的により段の選定を行います。
中芯のナミナミ形状は家の柱の太さのようなもので、シートを起こして上から圧力をかけた際にナミナミが大きいほど潰れ強度が上がります。
ただし段の潰れやすさは大きいほど潰れやすくなります。
W/Fというのは、B/FとA/Fの良いとこ取りみたいな紙になりまして、実際に圧縮強さ、平面圧縮強さ共に優れております。


用途     段種
ギフト用   G/F
↓       E/F
輸送向けと
ギフト    B/F
↓     
↓       A/F 
輸送用 W/F 


これら段ボールシートはシート製造メーカーにおいてあるコルゲーターと呼ばれる非常に大型(全長100Mくらい)の機械で製造します。




①内装用シートと外装用シートでは何が違うの?


外装シートメーカーで貼れる紙の色は基本的に表裏ライナが茶色か白になります。
外箱でよく使用する材質のW/FやA/Fの表紙は茶色か白しか選択肢がありません
赤い紙や真っ黒の紙など使用することが難しくなります。


内装シートメーカーで貼れる紙の色は表裏ライナ共に様々な色を使えますが、段種の厚み制限がありましてB/Fまでしか製造出来ないことが多いです。上記写真の薄いダンボール(段高3mm)までしか貼れず、外装シートメーカーで製造する5mmのA段や8mmのW段は作れません。

ただし例外的に、外装シートと内装シートの両方を1工場で製造している会社もありますので、そういうところでしたら、外装用に使用するA段等にカラーシートを貼ってくれる工場があるかもしれません。



最大シート寸法の違い


各社コルゲーターの大きさや特性により前後するのですが
内装メーカーで出来る最大シート寸法は
紙巾1,400mmx流れ1,300mm(流れが例外的に1800mmくらいまで出来るところもあります。

外装メーカーで出来る最大シート寸法は
紙巾1,800mm~2,200mmx流れ3,000~4,000mm(機械の仕様により様々です)

内装用シートメーカーはもともと小箱向けのシートを製造しておりますので、外装メーカーが製造しているような大きいシートを作れません。(機械の仕様として)
なので、通常のミカン箱形式であるA式の箱を赤やピンク色にしたい場合でも大きい箱は作れません
形式と寸法にもよりますが、100サイズ以下で無いと難しいかもしれません。 



上記を表にまとめると




外装シートメーカーは、大きいシート 丈夫なシートが得意ですし
内装シートメーカーは、薄いシート カラフルなシートが得意です。

上記説明では一般的な数十枚~数千枚くらいまでのロットでの条件です。
原紙1本分以上使用する特大ロット(箱で数万~数十万枚相当)では上記で出来ない事も出来るようになります。


何かご不明な事やお困りごとがございましたら分かる範囲でお答えいたしますので、お問い合わせください。
皆様のご参考になれば幸いです。

関連記事