ダンボール設計講座 第2回 ~ダンボールの厚みと内寸・外のり寸法の解説~

段ボール箱屋

2017年10月26日 07:00

前回「段ボールの設計講座 第1回」の続きです


段ボールにはそれぞれ厚みが有り、同じ寸法を曲げても各段種によって
*内寸
*外のり寸法

が変わってくることが分かりました。

前回書き切れなかった各段種 歩加算値の詳細をみていきましょう。




段ボールの厚みと 内側・外側への膨らみについて

↓段種別の厚みと各膨らみ値の一覧です。


段種
ダンボールの厚み
内側への膨らみ
外側への膨らみ


E/F
1.5mm
1mm
0.5mm


B/F
3mm
2mm
1mm


A/F
5mm
3mm
2mm


W/F
8mm
5mm
3mm




今回は上図赤文字部分のW/F(8mm厚)を例に取り説明します
W/Fの画像 (罫線30mm+100mm+30mm)


イラストの赤〇で囲った所が、それぞれの膨らみ値
下にある8mmの所が段ボールの厚みです。

罫線に対してそれぞれの膨らみ値は、内側への値が大きくなるため
W/Fの場合 厚み8mmに対して、内側へ5mm膨らみ 外側に3mm膨らむ特性があります。

これは、他の段種でも同様に内側への膨らみが大きくなります。


内寸法について

イラストの黒色① ② ③ ④を確認していきます。

①イラストは100mmの罫線を入れて左右を曲げたところです。 
片側5mmずつの合計10mm内側が狭くなり内寸法が90mmとなります。

②30mmで曲げているのですが、底の部分が片側5mm内側に膨らむために内寸法の高さ25mmとなります

外のり寸法について

③中央100mmで曲げると両側合計6mm膨らみ 外径長さ106mmとなります

④30mm+外側への膨らみ底部分の片側3mm分を足した33mmが外のり寸法となります。


世の中にある、複雑な形状もすべてこの応用です。
段ボール設計の基本の基本になりますので、まずはこの表の数値を覚えておいてください。
他の段種も復習しておきましょう

A段


B段 



E段



いかがでしたでしょうか?

注意点として

今回の数値はダンボールの潰れを考慮していない数値になります。
木型で本機打ち抜きする場合には、刃物に沿って1cm程つぶれが出てくる為、その部分が他よりも1mm~2mm程薄くなります。
印刷機に通す場合にも若干の潰れが発生します
今回の講座では潰れ考慮はしておりませんが、まずはこの基本を覚えてから、トムソン時のつぶれを考慮して段種により1mm~2mm程数値を考慮していきます。 
このつぶれ考慮に関しては各社様々なノウハウがあるかと思います。


ご不明な点がありましたら弊社問い合わせメールまで



次回は、理解度を確かめる応用編です。
お楽しみに!


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