メイン画像1
HOME › ダンボール設計講座

ダンボール設計講座 第8回 ~A式形状の溝がなぜ7mmなのか(後編)~

画像
前回ダンボール設計講座 第7回 ~A式形状の溝がなぜ7mmなのか(前編)~
からの続きです。

↓どうしてこのように溝があるのでしょうか
A式ダンボールの溝が7mmの理由




目次







A式段ボールの溝が7mmの理由



② 本来なら段種ごとに刃物の巾を変えると綺麗に収まるのですが、先ほどの印刷機にセットする刃物を段種ごとに交換しようとすると、刃物セット替え8輪オスメス交換・ギャップ合わせで一回あたりセット替えに数時間かかりこれを1日に複数回行うことは非現実的であるためです。
そこでB段の必要刃物巾4mmとW段の必要刃物巾10mmの間をとって7mmを常時セットしています。 段種ごとに印刷機の刃物の巾をセット変えしている会社は上記の理由から無いかと思われます。
A式はコスト重視の箱になりますので、こういった方法をとっております。

▲ 目次にもどる


段種ごとの必要刃物巾の説明


A式に使われる段種は主に
W/F(7mm厚)
A/F(5mm厚)
B/F(3mm厚)
が多いです。 最近C段というA/FとB/Fの間のものが出てきましたが、現在製造メーカーが限られることと必要製造ロットが大きいため、特大ロットのナショナルユーザーでしか見たことがありませんので、ここでは割愛させていただきます。 
あとデルタフルートというB/F(3mm厚)とE/F(1.5mm厚)の中間2mmのものがレンゴーさんから出てますがこちらも同じ理由であまり流通しておりません。
C段で有名なのは「亀田製菓さん」のダンボールでかなり使用されておりますので、ご興味のある方はスーパーのダンボール置き場に行ったらあるかもしれません。

ダンボールシートを製造している会社は2018年時点で全国に192社(コルゲーターは372台)ありますが、C段とデルタフルートを製造できる会社は非常に限られております。 デルタフルートは現在レンゴーさんで製造しております。
C段とデルタフルートの製造が難しい理由があるのですが、とても長くなるので後日アップします。

ということで現在主流の
W/F(7mm厚)
A/F(5mm厚)
B/F(3mm厚)
の3点で説明していきます。

以前にもアップした、段種と内径の一覧から3点抜粋
W/F ↓
ダンボールW/F 罫線と内径の関係

A/F ↓
ダンボールA/F 罫線と内径の関係

B/F ↓
ダンボールB/F 罫線と内径の関係



それぞれ罫線寸法に対しての内径は
W/F -10mm
A/F -6mm
B/F -4mm
です。
ということは、A式の内フラップの横幅はこの内径内に入る寸法にする必要があります。

ではA式のフラップ周辺はどのようになっているかと言いますと
A式ダンボールのフラップ周辺寸法

折れ曲げ線を中心にそれぞれ左に3.5mm 右に3.5mm 合計7mmの溝を作ります。
これは段種関係なく7mmの溝を作ります。 巾面の罫線寸法-7mmです。
段種ごとの内径とフラップの横幅ですが

段種 罫線寸法 内径 フラップの横幅
W/F 100 90 93
A/F 100 94 93
B/F 100 96 93

罫線寸法とフラップの横幅は全ての段種で同じですが、内径が違うことに注目してください。
W/Fは内径に対してフラップの巾が大きく、B/Fは内径に対してフラップが小さいことが分かります。


A式を印刷機で刃物固定で製造することはメリットもありまして、大きなものとして2点
*木型がいらない
*製造スピードが速いのでコストが下がる

ということがあります
通常A式は刃物と罫線軸が1mm単位で移動するので、後からの寸法変更も容易に出来ます。 
木型を作成後、寸法変更する際は、1mmであっても木型の作り直しを行う必要があります。

A式を木型で打ち抜くことは希ですが、以下の場合に木型作成する必要があります。
*寸法が小さすぎて自社の印刷機に入らない
*目方向が逆目のA式
*フラップの形状がノンステープルの場合


▲ 目次にもどる


まとめ



本来なら段種ごとにA式の溝巾を変えた方が箱を組みやすくなるが、溝7mm巾で共通巾にしているので段種ごとに内フラップの入れやすさが違う。それは価格を抑えて提供できる事と後からの寸法変更も容易に行えるから。




080
次回はA式フラップの長さが合わない事と、角に出来る穴の原因についてです。
おたのしみに!

▲ 目次にもどる




  

ダンボール設計講座 第7回 ~A式形状の溝がなぜ7mmなのか(前編)~

ダンボール設計講座 第6回 ~内寸から寸法を求める(A式箱形状編)~
からの続きです。

今回は「段ボールA式およびC式の溝巾がなぜ7mmなのか?」です
これは
①箱組みするときW/Fだとなんか箱組キツい気がする
②なんかダンボールの厚みによって、箱にしたとき角に出来る小さな穴の大きさがなんか段種によって違う
③箱の長さ面のフラップの長さが第1面と4面の長さが合わない

という普段何気に感じる疑問の答えの一部でもあります。

ミカン箱を組んだときに思う疑問とその理由




目次







A式段ボールのフラップ間には溝がある~


普段気にすることのないA式の上下フラップには7mmの溝を切っています。
ときたま8mmがありますが、ほぼ全国の段ボール工場の印刷機についている刃物は7mm巾です。 そのため、量産されるA式箱のほとんどがこの溝巾になっています。
(木型抜きのA式除く)

ダンボールA式の溝が7mmなのはなんで?

▲ 目次にもどる


~段ボールに溝を切る刃物について~


段ボール箱は段ボール箱専用印刷機に通して製造します。
極小ロットの場合は、サンプルカット機か断裁機→パンチャーと呼ばれる溝切り機械に通して製造します。
このパンチャーについている刃物の巾もこれまた7mmです。

印刷機に付ける溝切り刃物(オス刃)
ダンボールA式の溝を切る刃物①
ダンボール刃物を切る刃物②
ダンボールA式の溝 7mmの刃物

上の印刷機用の刃物を、下図の機械にセットして回転しながらオス刃 メス刃でカットします。これが全部で8輪あります。
ダンボール印刷機の刃物部分


こちらはパンチャーと呼ばれる溝を切るだけの機械です。 刃物の巾は7mm
パンチの刃物巾 段ボール用溝切り機

刃物が上下に動き、その間に段ボールを挟んで溝を切ります。
ダンボール溝切り パンチャー

▲ 目次にもどる


~溝が必要な理由の解説~



*溝が必要な理由は
①箱を組み立てた時、内フラップを中に入れやすくする為

*溝が7mmの理由は
② 本来なら段種ごとに刃物の巾を変えると綺麗に収まるのですが、先ほどの印刷機にセットする刃物を段種ごとに交換しようとすると、刃物セット替え8輪オスメス交換・ギャップ合わせで一回あたりセット約4時間かかりこれを1日に複数回行うことは非現実的であるためです。
そこでB段の必要刃物巾4mmとW段の必要刃物巾10mmの間をとって7mmを常時セットしています。 段種ごとに印刷機の刃物の巾をセット変えしている会社は上記の理由から無いと思います。



~①から説明します~
7mmの溝を切ったA式とカット線だけのA式を B段(3mm厚)とW段(8mm)で比べてみます。

まずはB段図面と実際のカット


A式ダンボール 溝7mm有 カット線のみ比較

糊付けして溝を比較します
ダンボールA式 B段(3mm) 溝の比較②

フラップの切り込み部分を拡大します
ダンボールA式 B段(3mm) 溝の比較③

それぞれの内フラップを折り込みます
溝7mm巾有り
巾面119mmでB段ですので、内径は115mm フラップは119mm-7mmで112mmです
ダンボールA式 B段(3mm) 溝の比較③

溝無し
こちらは、カット線のみ入れておりますので巾面の119mmに対してフラップの巾も119mmになります。
ダンボールA式 B段(3mm) 溝の比較④
▲ 目次にもどる


フラップの横幅について


今回作成したA式の巾面罫線寸法は119mmです
B段(3mm厚)の内径は4mm引きますので115mm
タテ方向の折れ線は7mm巾のセンターに入りますので、フラップの長さは罫線からそれぞれ3.5mmずつ短くなります
通常のA式のフラップ長さは、それぞれの「長さ面」「巾面」の罫線寸法に対してそれぞれ7mm短いです。

ところが、カット線のみ入れたフラップは罫線と同じ119mm巾のフラップになることに注意して見てください。


次にW/F(7mm厚)を見ていきます
罫線寸法は先ほど作成したB/Fと同じです。
同じ罫線寸法でフラップ長さが同じでも内径が変わることに注意して見てみてください。
A式ダンボールW/F 溝7mm有・カット線のみ比較

糊付けして溝を比較します
ダンボールA式 W段(7mm厚) 溝の比較

フラップの切り込み部分を拡大します
ダンボールA式 W段(7mm厚) 溝の比較②

それぞれの内フラップを折り込みます
溝7mm巾有り
先ほどのB段と同じ罫線寸法ですが、フラップの巾は112mmに対して内径は109mmになります。 本来あと3mm余分にカットしたいところですが、先ほどの理由から溝の幅が7mm固定な為、W/Fの時は内フラップ入れるときにキツくなります。
ダンボールA式 W段(7mm厚) 溝の比較③

溝無し
ダンボールA式 W段(7mm厚) 溝の比較④


7mm厚W/Fで作成したA式の巾面罫線寸法は先ほどのB/Fと同じ119mmです
W段(7mm厚)の内径は10mm引きますので109mm
先ほどのB段と今回のW段それぞれ巾面罫線119mm入れました。
それぞれB段 W段フラップの横方向の長さは同じなのに、内径が違うことによるフラップを折り込んだときのキツさの違いに注意して見てみてください

A式ダンボール 段種によるフラップキツさの違い比較

今回は箱の巾面(ヨコ)の罫線が119mmでした
しかし、段種により内径はそれぞれ
B段 -4mm
A段 -6mm
W段 -10mm
された寸法のものが入ります。

ということは、内フラップ巾寸法もそれぞれ段種ごとに引いてやると良いことが分かります。
B段 -4mm
A段 -6mm
W段 -10mm
それぞれ罫線寸法に対して引いておくと綺麗に内フラップが入りますので、綺麗にA式箱を仕上げるには、段種によりフラップの溝巾変更を本来ならやった方がよいが、ダンボール製造機械の仕様によりいろいろと難しいことが出てきます。これについては、次回に続きます。
木型を作成したときは、溝巾や罫線の段違い寸法等を段種ごとに変更します。

①の理由は以上です



▲ 目次にもどる





長くなりましたので②の説明は次回後編につづきます
おたのしみに!


  

ダンボール設計講座 第6回 ~内寸から寸法を求める(みかん箱形状編)~

前回の ダンボール設計講座 第5回 ~内寸から寸法を求める(スリーブ形状編)~
からの続きです。
今回は一番流通量がある「みかん箱形式(A式・0201形式)」について説明します。
以下A式と呼びます。

寸法に進む前にA式の特性について知りたい方は過去記事「A-1式段ボール箱(ミカン箱) 形式のお話」をご参照ください。





目次








A式形状のJIS規格分加算値について~


A式の各寸法はJIS規格で下図の様な指示があります。

ダンボール A-1式 JIS規格での分加算値

よく覚え方としてタテ ヨコ タカサ+する数値として
W段 9 9 16
A段 6 6 9
B段 4 4 6

と先輩から教わりますが、なぜこういった数値になっていくのでしょうか?
JIS規格と実際の現場の数値の違いについても説明していきます。


~内寸法に対する段種ごとの分加算値~

以前の講座で、ダンボールの段種ごとに「内側へ膨らむ値」と「外側に膨らむ値」をご紹介しました。
%EF%BC%8A%E6%AE%B5%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%A8%AD%E8%A8%88s%E6%AD%A9%E5%8A%A0%E7%AE%97%E5%80%A4%E4%B8%80%E8%A6%A7%E8%A1%A8s%E6%8A%98%E9%95%B7%E6%AE%B5%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%ABk%E6%A0%AAk%EF%BC%8A_1.pdf (PDF: 453.13KB)

今回もそれを利用します。
入れるものは以前と同じティシュ箱です



内寸法に対する、罫線寸法の値はそれぞれ
段種タテヨコタカサ第4面の減算値上下フラップの加算値
W/F 10mm 10mm 20mm -3mm +3mm
A/F 6mm 6mm 10mm -2mm +2mm
B/F 4mm 4mm 8mm -1mm +1mm
E/F 2mm 2mm 5mm 0mm 0mm


この値は弊社の値なのですが、JIS規格と若干異なります。 
又、ダンボール会社によってタカサとフラップ加算値及び第4面の控え寸法は数mm前後しているかと思います。

このティッシュを入れる展開図例としてA段の図面です↓
A式 箱展開図 A/F用参考例
A段(5mm厚)でつくるには
長さと幅を+6mm
深さを+10mm
上下フラップは(幅/2)+2mm (小数点切り捨て切り上げどちらでもok)
第4面を-2mmします。
  

 JIS規格では上図の通り
W/Fのタカサは内寸に対して +16mm 
A/Fのタカサは内寸に対して +9mm
となっておりますが、実際にその加算値で作成すると、フラップが盛り上がるくらいきつい寸法になります。 中身でも上からの加重を受ける形ですね。 意図的にそうする場合は良いのですが
外箱だけで上からの加重を支えようとすると
W/F +25 
A/F +15
をタカサに足すとよいです。

↓W/Fで高さ+20mmした箱です
W/F A式の高さ+20mmした箱


↓W/Fで高さ+16mm(JIS規格)した箱です
W/F A式の高さ+16mmした箱
▲ 目次にもどる




~ティッシュ箱が入るA式をつくってみる編~


以前も使用したティッシュ箱を入れるA式箱の寸法を考えていきます。

A式展開図 W段 A段 B段


それぞれ上から見てみます
B/F
段ボールB段 A式標準の加算値

A/F
段ボールA段 A式標準の加算値

W/F
段ボールW段 A式標準の加算値


~A式加算値の考え方~


タテとヨコの考え方

B段でみていきます
「加算表のコノ字部分」と「段ボール箱の上から見た下半分のコノ字部分」が同じですね




ヨコ方向も同じ考え方ですので、それぞれ内寸法に対して+4mmするとジャストサイズになります。
ここに指をいれて取りたい場合は+10~15mmほど余分に足します。

タカサの考え方

↓箱を半分に切ったタカサ部分の断面写真です
A式 高さ部分の考え方

上下の外フラップに押されて内フラップが内側に押し込まれてます
すべてのフラップの長さは、ヨコ面長さの半分です。

JIS規格では6mm足すことになってます


ところがよく写真を見ていただきたいのですが

上下の内フラップだけでもそれぞれ3mmあり、上下で6mmの厚みです。
それに加えて上下の外フラップが内側に各2mmずつ膨らみますので合計4mm
それらを足すと10mmとなります。
計算上はB/Fでタカサ+10mmとなりますが、JISでは+6mm 弊社では+8mmしています。

減らしている理由ですが
①印刷機に通すときに段ボールがロールに挟まれてつぶれるということ
②段ボールは紙ですので、中身を入れてテープ止めしたときにつぶれること
③内フラップがかかっていない中央部分に寸法の余裕が出すぎてしまうため。
を考慮して弊社では+8mmにしています。

高さを内寸に対して何mm足すかは段ボール会社によって考え方が様々ありますが、基本的な考え方は上記のとおりですので、ここは押さえておきましょう。

▲ 目次にもどる



~フラップの長さ調整はなぜするのか?~


A式のフラップの長さは「ヨコ」の半分の長さになりますが、A式を作成する場合は数mm伸ばします。
段ボールA式 フラップの考え方①

↓ JISの加算値図



これはなぜかといいますと
A式の横方向に入っている罫線は、段ボールシートの製造過程上すべて同一線上に入っています。
同じ高さの罫線上で2枚のフラップを重ね合わせると、それぞれの膨らみによって外フラップが外側に引っ張られます。 そこでその分を伸ばすようにしてあります。 
また段の厚みが厚くなるほど伸ばす長さが伸びます。



A式を展開して裏から見たところ
A式スコア罫線

A式の段目に対して直角方向に入っている罫線を「スコア罫線」といいます。
一直線上に入ります。


フラップを伸ばさない例外
 木型を作成しトムソン抜き加工する場合は巾面の罫線の位置をズラします。
これを行うと、フラップの長さはヨコの長さの半分ジャストにします。(ズラすことにより膨らみを逃げれる為)
段ボールA式 トムソン抜き段違い罫線

こういった木型打ち抜きの場合は、こうして罫線をズラすことにより箱にした時の仕上がりが綺麗になります。

弊社では段種ごとのズラし数値は
W/F 各4mm
A/F 各3mm
B/F 各2mm
第2面 4面のスコア罫線部分を内側へズラしています。(トムソン抜きの時のみ)


あと一つ
フラップの溝がなぜ7mmの隙間があるのか?
A式段ボールの溝が何で7mmなのか


ですが長くなりましたので次回 A式の溝についてに続きます!


▲ 目次にもどる

  

ダンボール設計講座 第5回 ~内寸から寸法を求める(スリーブ形状編)~

以前ダンボール設計講座の第1回~第4回まで、外のり寸法から罫線寸法を求める方法を記載しました

今回は
内寸法から、ダンボールの罫線寸法(折り曲げ寸法)の求め方を記載します

今回サンプルで用意したのは、ティッシュ箱です
こちらを入れるダンボールを考察します。

ティッシュケース タテヨコタカサ寸法


以前の講座で使用した加算値一覧を使って考えていきます。
ダンボール設計 段種別加算値一覧
%EF%BC%8A%E6%AE%B5%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%A8%AD%E8%A8%88s%E6%AD%A9%E5%8A%A0%E7%AE%97%E5%80%A4%E4%B8%80%E8%A6%A7%E8%A1%A8s%E6%8A%98%E9%95%B7%E6%AE%B5%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%ABk%E6%A0%AAk%EF%BC%8A.pdf (PDF: 453.13KB)



今回の形状は簡単なスリーブ形状で考えていきます
下図のような感じです
ダンボール 内寸から罫線寸法を求める

今回は右上が下図のような重なりになるようにします




解答です

ダンボール 内寸から罫線寸法を求める②

加算値一覧表を使って考えていくと分かりやすいです。
W/Fは
紙の厚み     8mm
内側への膨らみ 5mm
外側への膨らみ 3mm
です。 今回は内寸から求めていきますので、紙の厚みと内側への膨らみだけ考慮します。

解説
①奥行き230mm部分はダンボールの膨らみと関係が無いため内寸と同寸の230mmになります。

②ティッシュの高さ55mmに対して、ダンボール下の内側への膨らみ5mmと上部のダンボール1枚分8mmを足した68mmとなります。

③ティッシュの巾115mmに対して、ダンボールの内側への膨らみ5mmが両面にありますのでx2の10mmを足してやります。  125mm

④こちらも③と同じ考え方です。ティッシュの高さ55mmに対してダンボール両面の内側への膨らみ合計10mmを足します。 65mm

⑤ティッシュの巾115mmに対して、ダンボール右側の内側への膨らみ5mmを足します。 120mm


という具合で他の段種も同じ考え方で進めます

A/F 内側に3mm膨らむ
B/F 内側に2mm膨らむ
E/F 内側に1mm膨らむ

各段種の解答です
内寸から罫線寸法の導き 各段種(スリーブ編)

次回は内寸からミカン箱形式の出し方についてです
ダンボール設計講座 第6回 ~内寸から寸法を求める(みかん箱形状編)~
お楽しみに!!!
  

ダンボール設計講座 第4回 ~ダンボール外のり寸法から罫線寸法を導く 解答編~

ダンボール設計講座 第3回 ~ダンボール外のり寸法から罫線寸法を導く 設問編~
からの続きです。

まずは前回設問の答えから
画像かPDF確認してください。
ダンボール設計 歩加算値 答え

%E8%A7%A3%E7%AD%94.pdf (PDF: 387.95KB)
↑解答拡大

どうでしたか?
合っていた方おめでとうございます!
とくにプレゼントはありませんのであしからず
こ〜わいさ


外のり寸法から罫線寸法を導く 解説編

W/Fを例にとり説明していきます
私は今回の設問が苦手で頭がややこしくなりますので、それぞれの膨らみ値を図面に入れ、それをもとに頭の中でイメージしていきます。

ダンボールの厚みは8mm
それぞれ罫線寸法より
内側に5mm
外側に3mm
膨らみますので、寸法を入れておきます。
奥行きは、今回の場合段種関係なく150mmになります
ダンボール設計 膨らみについて 工作にも




さて計算していきましょう!



分かりやすいからいきます
外のり寸法は250なので、両側の膨らみ3mm3mmを引いた数値が罫線寸法になります
250-3-3=244mm




を考えてみましょう
ちなみに②~⑤までは左右両方同じ数値が入ります
外のり寸法が100ですので、上と下の膨らみ3mm3mmを引きます。
100-3-3=94mm




に進みます
だんだんややこしくなってきます
外のり寸法250の半分に膨らみ値を引きます
外側の膨らみ数値が関係してくるのでイメージしてみてください
(250-3-3-3-3)/2=119mm



に進みます
外のり寸法100に対して、下にダンボール1枚分引き、膨らみを考慮する必要があります。
100-8(底のダンボール1枚分)-3(上の膨らみ)-3(下の膨らみ)=86mm




に進みます
③で出した119mmに対して、左側のダンボールの内側への膨らみ分を考慮します
119-5=114mm
上の茶色く囲った寸法に対して、下側はダンボールの内側への膨らみ5mmを引いてやれば、下の茶色く囲った部分の長さを求められます。




全体の250mmからも求められます
(250-両側のダンボール分(8x2)-中央のそれぞれの膨らみ分(3x2))/2=114mm



ということでこのような数値になります
W/F 250x150x100図面



どうでしたか?
他の段種も膨らみの値が異なるだけで、考え方は同じです。
段種ダンボールの厚み内側への膨らみ外側への膨らみ
E/F 1.5mm 1mm 0.5mm
B/F 3mm 2mm 1mm
A/F 5mm 3mm 2mm

解答拡大↓
A/F B/F E/F 解答図面





ここまでで外のり寸法から罫線寸法(箱寸法)の出し方について一旦終わります。
次回は、内寸から罫線寸法を導くやり方について考えていきます。  

ダンボール設計講座 第3回 ~ダンボール外のり寸法から罫線寸法を導く 設問編~

ダンボール設計講座 第2回 ~ダンボールの厚みと内寸・外のり寸法の解説~
からの続きです。

前回までに各段種別の
内寸 
罫線寸 
外のり寸

の関係について説明してきました。

今回はそれの応用編です。


外のり寸法を指定して箱を組み立てる

普段は内寸法から罫線寸法を出すことが多いのですが
・寸法が決まった場所に箱を納めるとき
・箱の中に仕切り等を入れたいとき
・立体構造物を組み立てていくとき
等を考えるときに必要になります

↓ダンボールに折り曲げ線を8本入れて

↓このように外のり寸法を指定して立方体を作るには、各罫線寸法にどのような数値を入れていけばいいのでしょうか
外のり寸法を指定して組み立ててみる



設問① ~外のり寸法から、罫線寸法を導く練習~
下にPDFファイルを添付しておりますので印刷して使ってみてください。
段種ごとに「内寸」「外のり寸法」がどうなるか確認しながら罫線寸法を考えてみましょう!

最終外形寸法250x150x100mmになるように、各寸法を入れてください
このときに
①ダンボールに隙間が出来ないこと
②天面が水平にになること

が条件になります。
今回ちょっと難しくなりますが、頭の中でぐるぐるとダンボールを丸めて考えてみてください。
これが理解出来ると、いろいろな図面が書けるようになってきますよ


ダンボール 歩加算についての問題
↓上記画像の印刷用PDFです。
%E5%95%8F%E9%A1%8C.pdf (PDF: 383.03KB)



下記数値を参考にしてみてください
段種ダンボールの厚み内側への膨らみ外側への膨らみ
E/F 1.5mm 1mm 0.5mm
B/F 3mm 2mm 1mm
A/F 5mm 3mm 2mm
W/F 8mm 5mm 3mm

*膨らみは、「罫線寸法」に対しての値です。




次回は解答と説明です。
おたのしみに!  

ダンボール設計講座 第2回 ~ダンボールの厚みと内寸・外のり寸法の解説~

前回「段ボールの設計講座 第1回」の続きです


段ボールにはそれぞれ厚みが有り、同じ寸法を曲げても各段種によって
*内寸
*外のり寸法

が変わってくることが分かりました。

前回書き切れなかった各段種 歩加算値の詳細をみていきましょう。




段ボールの厚みと 内側・外側への膨らみについて

↓段種別の厚みと各膨らみ値の一覧です。
段種ダンボールの厚み内側への膨らみ外側への膨らみ
E/F 1.5mm 1mm 0.5mm
B/F 3mm 2mm 1mm
A/F 5mm 3mm 2mm
W/F 8mm 5mm 3mm


今回は上図赤文字部分のW/F(8mm厚)を例に取り説明します
W/Fの画像 (罫線30mm+100mm+30mm)
W/F 寸法歩加算 設計図面

イラストの赤〇で囲った所が、それぞれの膨らみ値
下にある8mmの所が段ボールの厚みです。

罫線に対してそれぞれの膨らみ値は、内側への値が大きくなるため
W/Fの場合 厚み8mmに対して、内側へ5mm膨らみ 外側に3mm膨らむ特性があります。

これは、他の段種でも同様に内側への膨らみが大きくなります。


内寸法について

イラストの黒色① ② ③ ④を確認していきます。

①イラストは100mmの罫線を入れて左右を曲げたところです。 
片側5mmずつの合計10mm内側が狭くなり内寸法が90mmとなります。

②30mmで曲げているのですが、底の部分が片側5mm内側に膨らむために内寸法の高さ25mmとなります

外のり寸法について

③中央100mmで曲げると両側合計6mm膨らみ 外径長さ106mmとなります

④30mm+外側への膨らみ底部分の片側3mm分を足した33mmが外のり寸法となります。


世の中にある、複雑な形状もすべてこの応用です。
段ボール設計の基本の基本になりますので、まずはこの表の数値を覚えておいてください。
他の段種も復習しておきましょう

A段


B段 



E段



いかがでしたでしょうか?

注意点として

今回の数値はダンボールの潰れを考慮していない数値になります。
木型で本機打ち抜きする場合には、刃物に沿って1cm程つぶれが出てくる為、その部分が他よりも1mm~2mm程薄くなります。
印刷機に通す場合にも若干の潰れが発生します
今回の講座では潰れ考慮はしておりませんが、まずはこの基本を覚えてから、トムソン時のつぶれを考慮して段種により1mm~2mm程数値を考慮していきます。 
このつぶれ考慮に関しては各社様々なノウハウがあるかと思います。


ご不明な点がありましたら弊社問い合わせメールまで連絡くりょ



次回は、理解度を確かめる応用編です。
お楽しみに!

  

ダンボール設計講座 第1回 ~ダンボールの厚みと内寸・外のり寸法について~

数回に分けてダンボールの設計講座を開設します。

*ダンボール工作を本格的に行いたい方
*ダンボール設計についての理屈を学びたい
*A段A式の分加算は6 6 9って聞いたけど何故かは知らない
*段ボールが好きで好きで仕方がない人

1つでも当てはまる方はどうぞお進みくださいdeco10

なお
今回の記述にあたり私の師匠でもある 
サクラパックス在住、凄腕設計士「平川さん」
ご協力いただきありがとうございました!

サクラパックスさんの包装ブログはこちらです

目次








①ダンボールには厚みがある


厚みに進む前に、まずはダンボールの名称についておさらいしておきましょう! 
記事は以前のブログ
「段ボールシートの名称(呼び方・重量・規格)についての豆知識」をご確認ください。

つづいて表題のダンボールの厚みについて



よく使う段種だけ集めました。 C段やG段もありますが、ここでは割愛します
写真の下から厚い順になってます。

段種ダンボールの厚み
E/F 1.5mm
B/F 3mm
A/F 5mm
W/F 8mm




です。
1.5 3 5 8
この数値を頭にたたき込みます。 W/Fは、A段とB段の組み合わせなので8mmですね

▲ 目次にもどる



②厚みがあるもの・無いものを曲げてみる


↓左から30mm 100mm 30mmで折れ線を入れてます。
分かりやすくするために、コピー用紙と厚み3mmのダンボールでの比較です。
写真左は、コピー用紙です 厚み0.1mm 
写真右は、3mmのB/Fです 厚み3mm
紙とダンボールそれぞれ曲げてみる
コピー用紙の厚み



折れ線で90度に曲げたとき紙の内側と外側で寸法にどのような差が出るのでしょうか
紙とダンボール 90度に曲げてみる

設計単位を1mmで考えていきます。
コピー用紙を曲げても紙の厚みが0.1mmしかないため内側と外側の寸法が同じになることは、なんとなく分かるかと思います。
厳密に言えば0.05mmくらいの差はでるかと思いますが1mm単位で考えたときの差は無いといえます。

ところが、ダンボールは厚みがあるために曲げたときに内側と外側では寸法が変わってくるのです。
▲ 目次にもどる



③ダンボール設計の歩加算値について



ダンボールを折り曲げたときに、罫線寸法に対して
「内側への膨らみ」 
「外側への膨らみ」

がそれぞれ出てきます。 

これを段種別にまとめました。
段種ダンボールの厚み内側への膨らみ外側への膨らみ
E/F 1.5mm 1mm 0.5mm
B/F 3mm 2mm 1mm
A/F 5mm 3mm 2mm
W/F 8mm 5mm 3mm


厚みに対して内側と外側に半分ずつかと思うのですが、なぜかすべての段種において内側への膨らみが少し大きくなります。
覚え方としては、厚みを2で割って小数点の時は0.5足す 割れるときは1mm足したのが内側への膨らみ
残りが外側の膨らみになります。
厚みの半分に対して0.5か1mm余分に内側に膨らむと覚えておきましょう。

それぞれの段種別、内寸・罫線寸・外寸の各寸法画像です (下が折り曲げ前 上が90度に利曲げ後)
下記の罫線寸法は30x100x30です。 それに対する各寸法の画像を作りました
下記数値はトムソン抜きのつぶれを考慮しておりません。
木型を使用して打ち抜くと、刃に沿って10mm程つぶれが出てきます。

↓太い文字が罫線寸法に対する内側・外側への膨らみ数値になります

↓W/F
W/Fダンボール 寸法歩加算 設計図面


↓A/F
A/Fダンボール 寸法歩加算 設計図面


↓B/F
B/Fダンボール 寸法歩加算 設計図面


↓E/F
E/Fダンボール 寸法歩加算 設計図面


これらの寸法歩加算値の一覧表です。 PDFでも上げておきますので印刷して使ってください!
ダンボール設計 段種別加算値一覧
%EF%BC%8A%E6%AE%B5%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%A8%AD%E8%A8%88s%E6%AD%A9%E5%8A%A0%E7%AE%97%E5%80%A4%E4%B8%80%E8%A6%A7%E8%A1%A8s%E6%8A%98%E9%95%B7%E6%AE%B5%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%ABk%E6%A0%AAk%EF%BC%8A.pdf (PDF: 453.13KB)
▲ 目次にもどる



第1回のまとめ



厚みのあるダンボールに折り曲げ線を入れて曲げると、折れ曲げ線に対して
内側
外側

へそれぞれ膨らむことが分かりました。
その値は各ダンボール厚みの半分では無く、内側へ少し多めに膨らみます。

次回 各加算値の説明です。
お楽しみに!!
そしゃ
▲ 目次にもどる