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N式段ボール箱形状のお話

いつもお世話になります。

今日は、段ボール箱の形状について


段ボール箱には様々な形状があります。
前回までにA-1式C式ジゴク底ワンタッチ底の形状を紹介してきました。

今回は、保管スペースに有効かつ、ギフトケースとしても使用しやすいN式のご紹介です。

写真① N式を木型で抜いた状態です。(分かり易くする為に折り曲げてます。)
段ボール N式 展開①

この箱は、比較的深さが低い場合に使用する事が多い形状になります。

この形式の特徴としましては、1枚の平から組み上げていき、箱に完成するところです。箱の形状としては深さが20mm~80mmくらいで、ギフトとしても使用したい場合などに使用される形状になります。

写真② 組立 両サイドを内側に折り、手前を起こして底にロックします。
段ボール N式 組立①

写真③ 組立 奥のソデ部分を腕組させます。
段ボール N式 組立②

段ボール N式 フタを差し込んだ状態


上フタが差し込み式になっており、手前が額縁形状になっているところから、A式に比べ見た目が綺麗です。

この写真の様に、中仕切りを入れることによって、ギフトとして使用する事が出来ます。
段ボール N式 仕切りを入れた状態



N式の応用として 手前の額縁を両サイドにも付けることが出来ます。(額縁3方と呼びます)
段ボール N式 額縁3方


本体とフタに分かれるC式もギフトケースとして使用されやすい形状です。
高級感も出しやすいのですが、本体とフタそれぞれを組み上げる手間がかかるのと、木型を2型作成する場合が多くなり、コスト面で不利になります。


N式形状のメリット
*保管時に場所を取らない
*箱に組み上がるのが楽
*フタにロックを付けることにより、テープを使用せず、封緘可能
*カラー紙等で打ち抜く事により、ギフト箱として使えます。


N式形状のデメリット
*兼用出来る大きさの木型が無い限り、木型を作成するコストがかかる。(大きさにより2.5万~5万位)初回のみです。
*箱の深さが深くなると、展開図が大きくなり(紙を多く使用することになります)容積に対して紙のコストが上がる。
目安としては最大でも深さ150mm以下位かと思います。
*印刷を行う場合、A式でしたら印刷→切り込み・罫線加工が1工程で済みますが、こちらは2工程になり、単価が上がりやすくなります。


皆様のご参考になれば幸いです。
  

底ワンタッチ段ボール箱 形式のお話

いつもお世話になります。

今日は、段ボール箱の形状のお話をしたいと思います。


段ボール箱には様々な形状があります。
前回A-1式・C式・ジゴク底についてお話ししました。

今回はジゴク底を改良し、組上げるのに労力が少ない
こちらのワンタッチ底と呼ばれるタイプの紹介です。
最新のJIS規格(H25現在)では、0713型と呼ばれます

木型で抜いた状態


底部分を180度山折りし、△部分をさらに逆折りします。


底の2カ所に糊を付けます


第2罫線で折り、サイド糊しろ部にも糊付けし、一番左にある面をサイド糊しろ部に付けて完了。


今回は、フタ差し込みロック付きで作成しました。


ロックした状態です。





最後に、この形状のメリットデメリットですが

ワンタッチ底のメリットhand&foot09
*ジゴク底は、手で組む必要がありますが、こちらは3カ所糊付けしており、
 箱を起こすだけで組み上がりますので、数千-数万ケース使用する様な現場で、よく採用されます。
*ジゴク底と違い、底が糊で2カ所貼ってある為、外から箱の中身を人為的に開けにくい。



ワンタッチ底のデメリットhand&foot03
*ジゴク底同様、どんな大きさでも木型を作成する必要があります。
 大きさによりまちまちですが1型 2万円~5万円くらいかかります。

*外形寸法がジゴク底と同じ場合、使用する紙の量は、ほぼ同じですが
 糊を3カ所貼る専用の機械に通す為(セット時間が長くなります)、
 ジゴク底に比べ製品価格が上がります。


底の3角部分の曲げ角度・糊付け位置精度を良くしないと、箱を起こしたときに「ゆがみ」「糊剥がれ」を起こしやすい形状です。
不良が出やすい形状になりますので、いつも機械セットにかなり気を遣います。


後日、他の形式もアップします。
お楽しみにemotion22  

ジゴク底段ボール箱 形式のお話

いつもお世話になります。

今回も、段ボール箱の形状のお話をしたいと思います。


段ボール箱には様々な形状があります。
前回A-1式・C式についてお話ししました。
今回は比較的小さな大きさの箱に使用される
こちらのジゴク底と呼ばれるタイプの紹介です。


最新のJIS規格(H25現在)では、以前紹介したA-1式(0201式)の親戚にあたり
0215型と呼ばれます

木型で抜いた状態                 糊付け後


テープなしで、組み立てられます。



底がジゴク底形状で、フタがA-1式のものを
0216型と呼びます。

木型で抜いた状態                 糊付け後



こちらもテープなしで組立できます。





最後に、この形状のメリットデメリットですが

ジゴク底のメリットhand&foot09
*A-1式(ミカン箱)形状では、上下をテープで封緘する必要がありますが
 こちらは、底を折り曲げるだけでロック出来る為、梱包時間が早くなります。
*しかし、A-1式の様に自動梱包機は、ジゴク底のタイプは見た事がありませんので
 大量に使用される会社では、A-1式に自動梱包機を使う事が多いです。

ジゴク底のデメリットhand&foot03
*この形状は、どんな大きさでも木型を作成する必要があります。
*大きさによりまちまちですが1型 2万円~5万円くらいかかります。(コストアップ)
*底を組んでいるだけなので、外から人為的に開けられやすい、少ないですが中身の重量により飛び出る事があります。



後日、他の形式もアップします。
お楽しみにemotion22  

C式段ボール箱 形式のお話

いつもお世話になります。

今日は、段ボール箱の形状について


段ボール箱には様々な形状があります。
前回お話ししましたA-1式について多いのがこちらのC式と呼ばれるタイプです。

製品を納める「ミ」と「フタ」に分かれる形状になります。
2013現在最新のJIS規格では「テレスコープ形」と言いまして
細かな形状により、いくつか分別されます。




外装ケースに使用される一般的な形状は0301型
4隅(2枚で8カ所)を、テープ止め、もしくわステッチャ(針金)止めする必要があります。


展開                         組立






下記のA式の方フラップなしを組み合わせた物を0320型と呼びます。
外国から入ってくるバナナのケースなどで、よく見かけます。
写真ではフラップをテープ止めしてますが、ステッチャ止めしている事が多いです。


展開                         組立






以上2点が外装用で、ギフトなどに使用される物は以下の形状がよく使用されます。
今回B段で作成しましたが、ギフト用ではさらに薄いE段以上で作る事が多いです。
こちらは、通常木型を作成します。


展開                         組立






価格は上がりますが、フタの角を糊で4点貼りしてワンタッチで組立が出来る形状もあり、起こすだけで組み上げる事が出来ます。
こちらも、通常木型を作成します。


展開                         組立

こちらは、ビールやジュースのギフト箱のフタでよく見かけます。



飛騨地方では、無垢の木で作る飛騨家具のテーブル天板を梱包するのに0301型がよく使用されます。
他に、表彰状や絵画などを入れるのに個人の方から、よくお問い合わせいただきます。
通常、なにも形状の指定が無ければ、0301型で作成します。
1枚からオーダー形状作成しておりますので、お気軽にご連絡下さい。
TEL:0577-73-3200


最後に、このテレスコープ形状(C式)のメリットデメリットですが

C式のメリットhand&foot09
*深さが浅い形状の物を入れやすい。(A-1式で深さの浅いケースを作るとつなぎ目が
  非常に破れやすくなります)
*外箱に使用する簡易形状(0301型)だと木型が不要
*内装ケースによく使用される額縁付きだと、ギフトとして高級感が出る
*機械式の自動梱包機にかけられる


C式のデメリットhand&foot03
*簡易式だと、通常四隅8カ所をテープもしくわステッチャーで固定しなければならないので手間がかかる
*内装ケースに使用する額縁形状の場合木型代がかかる。その際の木型代も
  ミ1型・フタ1型の計2型作成する場合が多く、型代で5万円超える事が多い
  (初期コストが高い)


後日、他の形式もアップします。
お楽しみにemotion22  

A-1式段ボール箱(ミカン箱) 形式のお話

いつもお世話になります。

今日は、段ボール箱の形状のお話です。

段ボール箱には様々な形状があります。
代表的な物として、今回ご紹介するA-1式の他に、ジゴク底ワンタッチ底N式C式
その他にもたくさんあります。

その中で最もポピュラーな形状が
ミカン箱形式ではないでしょうか?
↓この形です。



1番ポピュラーな形です。
野菜の箱や、引っ越し用・通販用・食品梱包など
様々な分野で使用されております。

ミカン箱形式というのは、俗称でございまして
正式には
旧JIS規格で「A-1式」
現行JIS規格で「0201式」
と言います。
ただし業界でも中々「0201式」とは言いません。
通称「A式」(えーしき)と呼びます。

「A式」と言いましても専門用語になりますので
「ミカン箱」とか「引っ越し用」の形をした段ボール
と説明する事が多いです。

この形式は、上部写真のように上下のフタが真ん中で突き合わせのタイプを差します。




他に
フタが長くなっているタイプ(通称:オーバーフラップ)



逆に
フタが短くなっているタイプ(通称:変則フラップ)
また
上フタがないタイプ(通称:半A式・フタ無し)



等いろいろな種類があります。

それぞれにJIS規格で呼び名がありますが
業界内でもJIS規格の名称で呼ぶ事は少ないです。
また段ボール会社によって、様々な名称で呼ばれております。


最後に、この形状のメリットデメリットですが

A式のメリットhand&foot09
*木型が不要(タテ・ヨコ・タカサの合計が50サイズ以下になると、木型が必要になる場合があります)
*途中からの寸法変更も容易に出来る(1mm単位で変更可能です)
*↑通常印刷機と呼ばれる機械で、印刷→罫線→切り込みを同時に1パスで行います。さらにFFGと呼ばれる機械を設備している
 会社では、ジョイントの糊接合→結束まで、1つの機械で完成します。
*工程が少ない為、価格が安い
*納期が短い(最短3日後の納品) 会社により当日注文当日納品可能な場合もございます。

A式のデメリットhand&foot03
*構造上、内フタの間に隙間ができ、物を詰めたときに端と真ん中で段差が出来る。
*箱の深さが短いと(70mm以下)つなぎ目がちぎれやすくなる。
*上下のフタをクラフトテープ等で、封緘する手間がかかる。

A式の設計手法につきまして興味がある方は
ダンボール設計講座 第6回 ~内寸から寸法を求める(みかん箱形状編)~
をご覧ください。


後日、他の形式もアップします。
お楽しみにemotion22