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段ボールに見えるけど紙リサイクルマークの話

前回 紙と段ボールの違いとは?の続きです。
色々な箱を見ていると、段ボールに見えるのに紙マークが印刷されていることがあります。



こちらのフルカラー印刷した箱
紙とダンボールの違い 箱のリサイクルマーク
中芯のナミナミがあるのに、「紙」のリサイクルマークがついています。


次に別の箱
こちらのフルカラー印刷した箱を見ると
紙とダンボールの違い 箱のリサイクルマーク②
同様に中芯のナミナミがあるのに、リサイクルマークの印刷が全くありません。


どういった違いでしょうか?


まず、こういったフルカラー印刷した箱というのは印刷面に、「コートボール」というボール紙を使用することが多いのですが(平滑性が高いため印刷が綺麗に載る為です。 敢えてデザイン上の風合いを出すために使用しない場合もあります)
コートボールは「段ボールの定義」にあった段ボール原紙ではありません。


①このボール紙単体に印刷をかけて箱にする場合 
②このボール紙に、中芯原紙+裏ライナー(どちらも段ボール原紙)を貼り合わせて箱にする場合とあります。


①の場合は100%「紙リサイクルマーク」になり
②の貼り合わせは「紙側」と「段ボール側」のどちらが重いかで判断が分かれます。


1番目の写真の箱は、表紙の方が重い為「紙リサイクルマーク」を使用しています。
表紙に7号以上のコートボールを使用している可能性が高いです。

2番目の写真をアップしてみると
段ボールリサイクルマーク省略表記 コートボールの重量が軽い場合
と書いてあります。
この場合は
①印刷面のボール紙より「中芯と裏ライナー」の重量の方が重い為→分類状段ボール
②ダンボールリサイクルマークの表示は任意(紙リサイクルマークは表示必須です)


ややこしやー


段ボールマークを使うか紙マークを使うか

どちらのマークを使ってもいいにか!と言いたいとこですが

「紙リサイクルマーク」を使うにはお金を支払わなければならないのです。
なので、オフセット印刷をして段ボールと合紙する際には重量に気を付け、出来るだけ段ボールの扱いになるようにすることが多いです。(リサイクル料を払わなくてもよくなる為)


1)段ボールか紙かを決める それぞれの紙の重量について

内装箱によく使われるE段(1.5mm)で普通芯と裏c5を使用した時の1㎡あたりダンボール側の重量は、120g(中芯)x1.35(段繰り率)+160g(裏ライナ)=322gになります。

上記ダンボール322gと
印刷面のコートボールとの重量比較になります。
オフセット印刷に使用するコートボールの厚みは色々ありますが、以下の紙をよく使用します。
紙の号数  1㎡重量
コート180g・・180g
5-4号・・・・270g
6号・・・・・・・300g
7号・・・・・・・350g

先に出した、1㎡当たりの段ボール重量とコートボールの重量を比較すると
表紙に6号以下の厚みを使用すれば、「段ボールリサイクルマーク」を使用でき
表紙に7号以上の厚みを使用すれば、「紙リサイクルマーク」を使用することになります。


7号以上の紙を使用すると表から見たときに、紙自体の厚みがあるため段ボールの波目が見えにくいという利点があるのですが、価格が上がるのと、「紙リサイクルマーク」を使用(リサイクル料の支払い発生)になるため、ほぼ6号以下のコートボールを使用するのが最近の主流です。


2)紙になった場合のリサイクル料の支払いについて

いわゆる特定業者と呼ばれる分類になると、リサイクル料を支払わないといけません。

自分の会社が特定業者かどうかのチェック
↑このリンク先に 「オンライン判定システム「私は特定事業者?」(経済産業省)にリンク」がありますので、確認してみてください。



お土産等で、フルカラー印刷した内装箱を作る場合の素材選択として
①コートボール単体で箱にする
②コートボールに段ボールを貼り合わせて箱にする
が代表的なものとして考えられますが。①の方が価格が安くなりますので、①にしようとするのですが、特定事業者の場合、①だと必ずリサイクル料を支払わないといけません。
その辺りで、価格が若干上がっても②を選択する場合も出てきます。


少しややこしかったですが、紙と段ボールについての違いでした。
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